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一般人の演技指導って難しいですよね。

動画撮影では友人・知人に出演してもらうことも多いと思いますが、不自然な演技や表情しか撮れなくて歯がゆい方も多いのではないでしょうか。

自分もこのところ一般人をインタビューすることが多かったので、素人を自然に撮るためのコツをまとめてみます!

ちなみに若き映像製作家Brian Liが丁度良いタイミングで同様のトピックについてYouTubeで話しているので、その内容も交えつつ書いてます!

参考:6 Basic Film Directing Tips for Natural Performances – Brian Li

1. 第4の壁の存在

人にカメラを向けるときにまず決めるべきなのが、「第4の壁はありかなしか」という問題。

第4の壁とは演者と視聴者を隔てる想像上の壁のことです。第4の壁がある場合、演者は決してカメラを見つめることはありません。逆に第4の壁がないときは、演者は視聴者と目を合わせ、ときには語りかけることも。

例として、映画「デッドプール」は頻繁に第4の壁を破ることで、コメディを表現しています。

動画制作の経験が浅いうちは、第4の壁ありで撮影するほうが簡単です。その際は演者に「カメラは見ないように」と伝えましょう。一般の方はちょくちょくカメラを見て、ディレクターの支持を仰ごうとしますので。

もし第4の壁を破るときは、「なぜ破るのか」を考えてみてください。表現したいストーリーを伝えるには壁のアリとナシのどちらが良いのか判断しましょう。

2. 行動で演者の気を紛らわせる

カメラ慣れしていない人を撮るには、とにかくカメラを意識させないことが重要です。そのためには「あそこまで歩いて」、「あっちを見つめて」といった、日常的で慣れている動きを指示して、カメラを忘れさせるのがおすすめです。

日常的な行動のカットさえ撮れれば、実は大体の動画制作は可能なんです。

3. 感情ではなく行動をディレクション(指示)する

2と関連して、ディレクションは行動を指示するようにしましょう。

初心者ディレクターは、「喜んで」や「楽しそうに」など感情のディレクションをしてしまいがちです。でも感情とは何かの刺激があって初めて起こるもの。例えば「新しい服を買ったから嬉しい」、「ゲームで勝ったから楽しい」などです。

ですので感情ではなく行動を指示しましょう。例えば、「あそこまで全力で走って」、「彼女にコーヒーを奢ろうとして」、「奢られるのを断って」など。そうすることで演者は自分から自然な演技ができます。

また、もし感情を引き出したい場合は想像力を刺激してみましょう。例えば「パリを旅して、初めてエッフェル塔を見たと想像して」といった風にです。具体的なシーンを想像させることで、自然と狙いの感情の表情が引き出せます。

4. オーバーより控えめの演技

映画の中ではオーバーリアクションがよく用いられますが、現実では控えめな感情表現が普通です。

「でもそれじゃ伝えたい表現ができないのでは?」という方、ご安心ください。映像の世界ではクレショフ効果という有名な理論があり、感情表現は演者の前後のカットに大きく左右されるのです。

つまり一見無表情のモデルのカットでも、前にお葬式のカットを流せば悲しそうな表情に、ゲームのカットを流せば楽しそうな表情をしていると、視聴者は脳で解釈するのです。

参考: Kuleshov Effect

5. 迷ったらスローモーション

上記のアドバイスに従ってもまだ迷ったときは、とりあえずスローモーションで撮ってみましょう。

人間は大切な場面に出会うと目を見開いて、できるだけ多くの情報を取り込もうとします。その結果、多すぎる情報を処理するために脳内再生はゆっくりになります。

スローモーションはこれを人為的に作り出すことで、「これは大切な場面だぞ」と脳に錯覚させるわけです。

スローモーションでは微細な動作や微妙な表情の変化ですら引き立つので、困ったらとりあえずスローで撮ってみましょう。

6. カメラを人として扱ってもらう

第4の壁を崩してカメラを演者に向けると、一般人の多くはナーバスになったり過剰に演技したりしてしまいます。その対策として、カメラでなくカメラマンのあなたと交流・対話してもらうようにしましょう。

例えば自分は、インタビューのときカメラの真後ろに屈んで話を聞き、相槌を(無言で)打ちます。そうするとインタビューを受ける側はカメラの奥の自分と対話している感覚になります。

第4の壁を壊すときは、カメラではなくカメラマンに向かって演技してもらうようにしましょう。

7. ひたすら撮り続ける

一般の人は、カメラに慣れるまでどうしても時間がかかります。そんなときは時間が許すなら、慣れるまでひたすらカメラを向けてみるのも一つの手です。どんな人でも同じ刺激に晒され続ければ次第に慣れていきます。

似たテクニックとして、アクションとインタビューと両方取る場合は、インタビューを後半にしましょう。より演じやすいアクションを先にすることで、カメラに慣れる時間を確保できます。

目線の高さで撮る

特別な理由がなければ、相手の目線の高さで撮ることをおすすめします。子供なら屈んで撮影し、背の高い人なら椅子に座ってもらいましょう。

ローアングルやハイアングルによって表現できるストーリーというのはあります。しかしそれらは効果を理解した上で意図的に使うべきであり、偶発的に撮った表現ではいけません。


以上、素人・一般人を動画撮影するときの7つのコツでした。ぜひ試してみてください!

投稿者プロフィール

那須裕介
那須裕介
日本の魅力を世界に伝える開国クリエイター。
インバウンド動画制作、訪日観光動画メディア「じゃぱねすクエスト」更新、一棟貸しの宿じゃぱねす邸を京都高山で運営をしています(簡易宿所許可有)。お問い合わせはこちらから