ハローみなさん、訪日観光YouTuberの那須裕介(@nasu_yusuke)です!
先日高山のゲストハウス「とまろっとホステル」で開かれたトークイベント「はるばるトーク ~ロッキー山脈ハイキングガイドのおもてなし~」に参加してきました!
なかなか興味深かったので、イベントレポートとしてまとめてみます 🙂
どんなイベントだったの?
カナダロッキー山脈にてハイキングガイドをしている田中康一さんを招いたトークイベントです。
北海道旭川市出身。平成元年ワーキングホリデーでカナダへ。初めて見るカナディアンロッキーに衝撃。人生を捧げる場所はここしかない!と直感。1995年 カナダ永住権取得。日本人観光客が多数訪れる、バンフの観光ガイド10年の経験を経て、1999年、「がんばらない山歩きツアー」をポリシーに起業。現在に至る。日本人ゲストさんのみの集客で、8割は山歩き未経験。トークイベント「はるばるトーク Vol.2 ~ロッキー山脈ハイキングガイドのおもてなし~」
田中さんのさらなる詳細は、下記のウェブサイトをご覧ください!
イベントで印象に残ったこと
イベントの内容は主に2つ―「田中さんはどんな人間か」と「どんなガイドをしているのか」という点から進行されました。
ガイド歴が長いだけあって、田中さんはとても話すのがうまいです。参加者も最初から最後まで面白おかしく聞いていました。
以下、個人的に印象深かった点をあげておきます。
・田中夫妻に会いたいからカナダへ行く
田中さんの目指しているところは、「お客さんが田中夫妻に会って一緒に遊ぶ(ガイドを受ける)ためにカナダに来てくれる」ことだとか。
個人をブランドにする。これは自分がYouTubeチャンネル「じゃぱねすクエスト」で挑戦していることです。
ただ自分の提供サービスはあくまで「暮らすような宿体験」なのに対し、田中さんは「一緒に遊ぶ」交流が提供サービスです。一歩より踏み込んでいますね。
・また会いたいと思ってくれる他人を探す
この言葉は「お客さんに自分のサービスを合わせていくよりも、自分のサービスに合うお客さんを探す」という意味。
無粋なのを承知なうえでマーケティング用語を使うと、Amazonのロングテール戦略をガイド業に活かしているわけです。
SNS時代だからこそとれる戦略ですが、田中さんのユニークなのはそれをオンライン上だけでなくオフラインにも広げているところ。今回のトークイベントも言ってみれば田中さんの「他人探し」ですね。
・人は3つ共通点があると親密になれる
個人的に面白かった話。これから雑談のときに「3つの共通点を探す」を試してみようかな。
・人は生まれる国と生まれ変わる国がある
個人的に良い言葉だと思ったのでメモ。そういえば自分も、日本で生まれてイギリスで生まれ変わったなー 🙂
・ラブレターのようにブログを書く
田中さんは「初めてのカナダ! 名古屋出発直前の和恵さんと雅子さんへ」という、個人直撃なブログを書いています(笑)
これも無粋なマーケティング用語で言えば「ペルソナを徹底する」ですね。ただ空想のペルソナを考えるより、知人の一人をペルソナに想定する方がよっぽど合理的だし現実にも即しています。
これは自分のもう一つのサービス――映像クリエイターに映像制作を教えるYouTubeチャンネル「動画っ校」で活かせそうだと思いました。
なぜ田中さんはガイドとしてウケるのか?
今回トークを聞いて感じた、田中さんのガイドが人気な理由。それはずばり―
人対人としてお客さんと向き合う、圧倒的なコミュニケーション
でしょう。
一つ例を上げますね。
あるとき田中さんのお客さんの一人が、カナダの山に向けてどんな装備を買えば良いかわからず困っていたそうです。そこで田中さんは、そのお客さんの地元のアウドドア用品店に手紙を書きました。そしてカナダの気候や山の環境、お客さんの来店時期とサポートのお願いなどを事細かに記して送ったのだとか。
一見非効率に見えるほどのサービス提供。これが多くのリピーターを獲得し、田中ブランドを築く秘訣なのでしょう。
……どっかのおもてなしモンスターを思い出しました 笑
イベントの感想と、自分が今後できること
自分は高山にもっと観光コンテンツを増やしたいと常々思っており、その方法の一つがガイド業だと考えています。
高山には四十八滝や大倉滝など、まだ世界には知られておらず、そして交通アクセスが悪いゆえに個人では行きにくい名所が溢れています。そういう未開の観光資源を、ひらかれた「観光コンテンツ」にするためにはガイドが増えることが大切です。
田中さんの行う、一見非効率に見えるほどのサービス提供。これは個人ガイドがブランドを築くために有効なアプローチでしょう。
ただ、一つ思うことがあります。
自分にはできない
自分は効率主義者です。思考回路も経営者脳です。また僕の一番の情熱は「旅と映像」なので、ガイド業にそこまで熱意は向けられません。
……まあ僕がする必要性はないんですよね。それよりも―
自分だからできる
田中さんのようなガイドはできない一方で、自分だからこそできることがあります。それは――
田中さんのようなガイドを高山に呼び、そして自活までサポートするパトロンになる
田中さんの話で印象的だったことがあります。田中さんがガイドをするのは、カナダの観光ピークシーズンの夏4ヶ月がほとんど。それ以外は地元の石鹸会社で働いているのだとか。
自分もガイドを仕事にしている友人が何人かいるのでわかりますが、ガイド一本で食べていくというのは大変難しいです。
その理由を煮詰めていくと、「集客が難しい」に絞られます。
だから例えば高山でガイドとして身を立てたい人がいたら、自分がパトロンとしてイニシャルコストを支援して、さらに自分のスキルセットの「映像・ウェブ制作・ブランド構築」で集客を手伝う。そうすれば将来的に自己ブランドで自活できるガイドを高山に増やせるのではと思っています。
来年オープンするじゃぱねす邸2号店と3号店がうまく軌道に乗ったら、ぜひ取り組みたいプロジェクトです。そんなことを、今回のトークイベントで感じました。
……そのためにはまずじゃぱねす邸成功させないと(汗)
投稿者プロフィール

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日本の魅力を世界に伝える訪日観光YouTuber&じゃぱねす合同会社代表。
インバウンド動画制作、訪日観光動画メディア「じゃぱねすクエスト」更新、一棟貸しの宿じゃぱねす邸を京都と高山で運営をしています(簡易宿所許可有)。お問い合わせはこちらから
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